交通事故の治療で健康保険を使うには?注意点や健康保険を適用する方法を解説

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交通事故でケガを負った場合、治療費は基本的に加害者が負担するものです。そのため、健康保険を使って交通事故の治療ができるのか、疑問に思っている方も多いでしょう。結果から言うと、交通事故の治療で健康保険を使うことは可能です。

 

ただし、注意すべき点や適用されないケースなどもあります。交通事故後の治療で健康保険を使おうか検討している方は、トラブルや後悔がないよう、この記事を参考にしてみてください。

 

交通事故の治療で健康保険は使える?

「交通事故のケガの治療では、健康保険を使えない」という話を聞いたことはありませんか?交通事故で発生する治療費は基本的に加害者負担になるので、自身の健康保険を使う意味がないように感じる方も多いでしょう。

 

実は、交通事故の治療で健康保険を使うことは可能です。加害者が任意保険に加入していなかった場合、ケガの治療費だけで自賠責などの上限である120万円 を超えてしまう可能性があります。健康保険を使って治療を受けると、交通事故の治療でも通常の場合と同様に治療費の負担が1~3割になるので、自賠責の上限を超えることはなくなるでしょう。

 

【健康保険適用時の治療費負担の割合 】

75歳以上

1割負担

現役並み所得者

3割負担

70歳~74歳まで

2割負担

70歳未満

3割負担

 

自賠責などの上限を超えてしまうと、慰謝料などの請求が困難になったり、損害賠償額が減額されてしまったりする可能性があります。そのため、健康保険を使って治療費を抑えることは有効な方法です。健康保険を使うべきかどうかを検討し、自分にとって有利な結果をもたらせる選択をしましょう。

 

整骨院通院も可能

事前に整形外科などを受診し、診察を受けたうえで整骨院への通院を許可されたら、整骨院への通院も可能です。整骨院では、痛みを感じる部分への直接的なアプローチのほか、神経や筋肉の関係性を重視した間接的なアプローチでの治療もできます。

 

柔道整復師による徒手療法や、専用機器を使った電気治療などを行えるので、整形外科での治療を続けてもなかなか症状が改善しないという方におすすめです。病院よりも営業時間が長いところが多いので、仕事帰りに治療に行けるなど、通いやすいという点でもメリットがあります。

 

ただし、医師の診断・許可なしに整骨院へ通った場合、加害者側へ治療費や慰謝料を請求できなくなる可能性があるので、まずは必ず整形外科を受診しましょう。

 

健康保険が使えないケースとは

交通事故のケガの治療で基本的には健康保険を使えますが、ケースによっては使えない可能性があります。

 

【健康保険が使えないケース】

健康保険が使えないケース

備考

通勤や業務中の事故の場合

通勤中や業務中の交通事故では、労災保険が優先的に適用される。労災だと認定されていないうちは、健康保険を一時的に利用可能。労災だと認定されたら、健康保険から労災保険への切り替えが必要になる。

被害者の故意や法令違反による交通事故の場合

交通事故の被害者であっても、被害者自身が故意に起こした事故の場合は健康保険が使えない。また無免許運転や飲酒運転などの法令違反による交通事故でも、健康保険は使えない。

 

健康保険を利用可能なケースでありながら、病院で「交通事故なので健康保険は使えません」と言われてしまう可能性があります。その場合、病院側が交通事故では健康保険を使えないと誤解している、また病院の方針として交通事故では健康保険を使えないものとしているの2つの理由が考えられます。

 

対処法は、交通事故でも健康保険が使えるという説明を行い、利用できるよう掛け合うことです。それでも対応してもらえない場合は、健康保険が使える別の病院を受診することをおすすめします。

 

交通事故で健康保険を使う際の注意点

交通事故のケガを治療する際に健康保険を使う場合は、以下のポイントに注意しましょう。

 

<交通事故で健康保険を使う際の注意点>

  • 保険適用ではできない治療内容がある
  • 健康保険を使うためには手続きが必要

 

それぞれのポイントを詳しく解説していきます。

 

保険適用ではできない治療内容がある

健康保険を適用する場合と自由診療の場合を比べると、受けられる治療内容が異なります。健康保険適用時のほうが、自由診療よりも治療内容に制限があるため、自分の受けたい治療や薬を使用できない可能性があります。

 

たとえば、事故によって歯を損傷した場合、歯列矯正は不可です。そのうえ、自分の希望する状態に回復するまでのリハビリの回数に制限があります。健康保険を利用すれば治療費を抑えられますが、同時に治療内容に制限が設けられるため、事前に治療内容を確認するのがおすすめです。

 

健康保険を使うためには手続きが必要

交通事故の治療の場合、健康保険を使うためには、通常のように病院の窓口で健康保険証を提示するだけでは受けられません。以下のような手続きが求められます。

 

<健康保険を利用するための手続き>

  1. 加入している保険組合に、交通事故によるケガの治療を受けることを伝える
  2. 病院の窓口で保険証を提示して、健康保険を使いたいことを伝える
  3. 加入している保険組合に「第三者行為による傷病届」などの必要書類を提出する

 

必要書類がすぐに提出できない場合は、保険組合に電話などで連絡しておきましょう。

 

交通事故で健康保険を使うための必要書類

交通事故の治療で健康保険を使うために必要な書類は、以下のとおりです。

 

<健康保険を使うための必要書類>

  • 第三者行為による傷病届
  • 負傷原因報告書
  • 事故発生状況報告書
  • 損害賠償金納付確約書・念書
  • 同意書
  • 交通事故証明書

 

交通事故証明書以外の書類は、加入している保険組合のホームページからダウンロードできる可能性が高いです。交通事故証明書は、加害者側の任意保険会社に問い合わせることで入手できます。

 

整骨院で健康保険の適用になる範囲

整骨院は保険医療機関ではないので、健康保険の対象となる治療の範囲は限られています。健康保険が利用可能な治療は、外傷性が明らかな場合のみです。

 

<健康保険が適用になる範囲>

  • 骨折
  • 脱臼
  • 打撲
  • ねんざ
  • 挫傷(肉離れなど)

 

整骨院で施術を行うのは、医師ではなく柔道整復師です。交通事故に遭ったら、整骨院よりも先に整形外科を受診し、正確な診断のもとで整骨院へ通うことを許可してもらう必要があります。骨折や脱臼の場合は応急処置が必要な場合もありますが、それ以外では必ず医師の許可を得てから整骨院での施術を受けましょう。

 

健康保険の適用内で整骨院の治療を受けたい場合は静岡県浜松市の「みのり整骨院」へ

交通事故でケガを負った際の治療でも、健康保険を使うことは可能です。健康保険で交通事故の治療をすると治療費が抑えられ、その分の慰謝料などの請求もしやすくなる可能性があります。ただし、健康保険を使うためには、所定の手続きを行う必要があるので、必要書類などを用意して速やかに手続きを進めましょう。

 

症状によっては、整骨院での治療が有効なケースもあるため、整骨院への通院も検討してみてください。その際は必ず最初に整形外科を受診し、医師の許可を得ることを忘れないようにしましょう。

 

整骨院での手技療法や電気治療、リハビリなどを希望する方は、静岡県浜松市のみのり整骨院へお越しください。