交通事故後の治療をするにあたって、健康保険を使ったほうが良いか迷ったことはありませんか？病院によっては「交通事故の治療では健康保険を使えません」と断られてしまうケースもあるかもしれません。しかし、結論からいうと、交通事故の治療でも健康保険を使うことは可能です。
この記事では、交通事故の治療で健康保険を使うことのメリット・デメリットなどを解説していきます。万が一事故に遭ってしまった場合、自分の場合は健康保険を使ったほうが良いかどうかを冷静に判断できるよう、今のうちから確認しておくことをおすすめします。
交通事故のケガの治療に健康保険は使えるのか？
通勤中や勤務中に交通事故に遭った場合は、労災保険が優先して使われるので、健康保険は使えません。しかし、それ以外の交通事故によるケガの治療なら、健康保険を使えます。
ただし、交通事故によるケガの治療の際に健康保険を使うためには、必要な書類を準備し、手続きを行う必要があります。通常の診療のように、窓口で保険証を出すだけで利用できるわけではありません。
健康保険とは
健康保険 とは、国民全員の病気やケガなどに備える公的な医療保険制度で、被保険者と事業主が保険料を負担しあって運営されています。健康保険を利用すると、医療機関で受けた治療費は、基本的に3割自己負担に抑えられます。残りの7割を健康保険が負担してくれるのです。
高齢者や母子家庭世帯などは、自己負担の割合が1割～2割になるケースもあります。経済的に余裕のない方でも、安心して医療機関を受診できる制度であるといえるでしょう。
交通事故の治療で健康保険を使うかどうかの判断が大切
交通事故の治療でも健康保険は使えますが、すべての交通事故の治療に健康保険を利用すれば良いわけではありません。健康保険を使うかどうかは、それぞれのケースによって異なります。自分の場合は健康保険を利用すべきか、判断することが大切です。
交通事故の治療で健康保険を使うメリット
健康保険を使って治療すべきかどうかを判断するためには、交通事故の治療で健康保険を使うことで得られるメリットを知る必要があります。
＜交通事故の治療で健康保険を使うメリット＞
・被害者にも過失があれば負担が軽くなる
・保険金額の上限に達する心配が減る
健康保険を使うことで、自分にメリットがあれば、健康保険を利用する意味を見出せるでしょう。それぞれのポイントを詳しく解説してきます。
被害者にも過失があれば負担が軽くなる
被害者にも過失が何割かあった場合、過失の限度で治療費を負担しなければなりません。健康保険を使った場合と使わなかった場合では、単純に支払う自己負担額が異なります。窓口負担分が少ない健康保険を使った場合の治療費のほうが、過失相殺の際の負担を少なくできるのです。
保険金額の上限に達する心配が減る
加害者が自賠責保険にしか加入していなかった場合、被害者は自賠責保険による補償しか受け取れません。自賠責補償の傷害による損害保険金額は、上限が120万円です。
治療内容によっては、上限を超えてしまう可能性があります。上限に達するリスクを下げるためには、健康保険を利用して治療を行ったほうが有利になるでしょう。
交通事故の治療で健康保険を使うデメリット
交通事故の治療で健康保険を使うかどうかの判断をするためには、メリットだけでなくデメリットも知っておくことが必要です。
＜交通事故の治療で健康保険を使うデメリット＞
・治療内容や使える薬の幅が限定される
・書類の手配や手続きに手間がかかる
これらのデメリットが自分にとってどのくらいのハードルになるのかを考えながら、確認してみてください。
治療内容や使える薬の幅が限定される
健康保険を使った治療では、当然ですが、保険適用内の治療しか行えません。保険適用外は自由診療といい、費用は全額自己負担になります。もしも自分が行いたい治療が自由診療の範囲内だった場合、健康保険を利用しての治療を諦めなければなりません。逆に、健康保険をどうしても利用したいと希望するのであれば、自由診療を諦める必要があります。
健康保険を使った治療を希望するのであれば、まずは健康保険の適用内でできる治療内容や使える薬を確認することをおすすめします。
書類の手配や手続きに手間がかかる
健康保険を使って交通事故の治療を行うためには、書類の提出や手続きが必要です。
＜健康保険を使うための必要書類＞
・第三者行為による傷病届
・負傷原因報告書
・事故発生状況報告書
・損害賠償金納付確約書・念書
・同意書
・交通事故証明書
交通事故証明書以外の書類は、加入している保険組合のホームページからダウンロードして入手できるでしょう。交通事故証明書を手配するためには、加害者側の任意保険会社に問い合わせる必要があります。
＜健康保険を利用するための手続き＞
・加入している保険組合に、交通事故によるケガの治療を受けることを伝える
・病院の窓口で保険証を提示して、健康保険を使いたいことを伝える
・加入している保険組合に「第三者行為による傷病届」などの必要書類を提出する
書類をそろえることも手間がかかりますが、そこからの手続きも不備のないように行わなければなりません。事故後の心身ともにダメージを受けている状態で、書類を手配するのは大変です。健康保険の利用を希望するのであれば、頑張る覚悟が必要でしょう。
整骨院でも交通事故の治療で健康保険を利用できる
交通事故のケガで多いのは、むちうちです。むちうちにはさまざまな種類や症状があるため、整形外科での治療を続けても、症状がなかなか改善しない方も多いです。その場合、痛いところに多角的にアプローチしてもらえる整骨院での治療が有効ですが、整骨院での治療も健康保険を利用できるのか把握していない方も多いでしょう。
交通事故の治療を整骨院で行った場合でも、健康保険を利用することは可能です。ただし、整骨院での治療を始めるまえに、整形外科の医師に整骨院への通院許可をもらう必要があります。
整骨院であれば、病院などの医療機関よりも営業時間が長く、待ち時間も短い可能性が高いため、通いやすいでしょう。整形外科での治療で、なかなか症状が改善しなくて悩んでいる方は、整骨院への通院も検討してみてはいかがでしょうか。
浜松で交通事故後の治療をするなら「みのり整骨院」
健康保険を利用して、交通事故の治療を行うことは可能です。しかし、それにはメリットとデメリットがあるため、一概に健康保険を使ったほうが良いと断言はできません。
浜松市にある「みのり整骨院」では、交通事故後の治療にも対応しているうえに、転院や保険会社への連絡や各種手続きも代行しています。整形外科とも連携しているため、症状の改善や完治に向けて最適な治療を提案することが可能です。浜松で交通事故の治療を行う際は、安心して治療に専念できる「みのり整骨院」へぜひご相談ください。
