むちうちと言うと、首や肩、背中の痛みをイメージする方が多いでしょう。しかし、むちうちにはいくつかの種類があり、症状は多岐にわたっています。交通事故後に手がしびれる症状が現れた場合は、むちうちの症状である可能性が高いです。
この記事では、交通事故後に発症した手のしびれについて解説していきます。むちうちで手がしびれる理由と、その治療法についても解説しているので、交通事故後に手がしびれることでお困りの方は、ぜひ確認してみてください。
むちうちで手がしびれる理由
むちうちで首などの痛みだけでなく、手がしびれる症状が現れる理由は、事故の衝撃により脳や脊髄を損傷するからです。とくに末梢神経を損傷すると、抹消部である手の先がしびれます。
末梢神経とは、脳と脊髄以外の神経のことです。背骨から体のほかの部位をつなぐ神経で、体には1,000億個以上の神経細胞があります 。筋肉を動かすには、神経を介して信号を伝達しなければなりません。その神経を損傷すると、手や足などさまざまな部位にしびれなどが生じるのです。
むちうちによる手のしびれの症状
交通事故などによって、首に強い衝撃を受けて神経を損傷すると、感覚神経に影響を及ぼします。手や足にしびれや痛みが出たり、感覚が鈍くなったりする可能性があります。
また、運動神経に障害を受けると力が入りづらくなるため、握力が弱まったり足の踏ん張りがきかなくなったりするでしょう。交通事故のむちうちで神経を損傷すると、これらの症状が複合して起こる可能性があり、症状の現れ方も人それぞれです。
手のしびれだけではむちうちだと気づきにくいかもしれませんが、交通事故後にこのような症状が現れた際は、末梢神経を圧迫しているポイントを見つけ出して治療することが大切です。
むちうちによる手のしびれの治療法
むちうちが原因で手のしびれがある際は、以下の方法で治療していきます。
<むちうちによる手のしびれの治療法>
- 手技療法
- 電気療法
- 針治療
- ラジオ波治療
- 筋肉のストレッチ
それぞれの治療法について詳しく解説していきます。
手技療法
直接、手で末梢神経を締め付けているポイントへアプローチすることで、神経の圧迫を取り除く方法です。しびれを起こしている部位を直接指圧することもありますが、筋肉と筋肉の隙間を全体的に温める方法もあります。
手技療法は、主に整骨院などで行われます。いずれにしても、柔道整復師による高い技術が必要な治療法だと言えるでしょう。
電気療法
神経が圧迫されている部分の根にあたる部分と、実際にしびれている部位の間に電気を流す治療法です。しびれの原因となっている神経の根の部分を的確にとらえて電気を流すことで、効果が得られるでしょう。
電気療法のなかには、神経の炎症を抑えるための電気治療や、症状をより早く落ち着かせるための電気治療など、さまざまな種類があります。なかには、患者一人ひとりに合わせた電気を作り出して流すものもあります。電気療法を希望する場合は、充実した機材や設備と、確かな技術を持った施術師がいる整骨院を選びましょう。
針治療
首の筋肉などに針をうって、筋肉を柔らかくしていく治療法です。神経の走行を読み取りながら針をうつので、針をうつ部分は人によって異なります。
針治療を受ける場合は、国家資格を保有している鍼灸院で受けましょう。また、どの治療法にも言えることですが、針治療などはとくに「合う・合わない」があります。自分に合う治療法なのかを考えて、自分にとって最善だと思える治療法を選択しましょう。
ラジオ波治療
ラジオ波を使用して、体の深い部分の筋肉を温めることで柔らかくしていく治療法です。交通事故で衝撃を受けた際に体は防御反応が働き、筋肉が固まってしまいます。
固まった筋肉のままでは凝ってしまい、神経の圧迫を解消できません。ラジオ波という特別な波長を当てて、筋肉を3~4度 温めます。
筋肉のストレッチ
腕やひじを動かしたり、首を動かしたりしてストレッチを行うことで、症状の改善を目指します。ストレッチは自分でできるものも多く、なかには椅子に座ったままや横になった状態でできるものもあるので、幅広い方に試してもらえる方法でしょう。
ストレッチの方法は、実際に整骨院で指導を受ける方法もあります。現在は、動画サイトなどで簡単なストレッチの方法を解説しているものもあるので、自宅で手軽に実践できるでしょう。
ただし、ストレッチを行う際は決して無理な動きをせず、痛みや違和感があればすぐに中止しましょう。また、通院している整骨院や整形外科があれば、医師などにストレッチをしてもいいのか聞いてから行うと、より安心です。
手にしびれが生じた場合の対処法
交通事故後に手にしびれが生じたら、できるだけ早く病院を受診しましょう。病院への受診が交通事故から時間が経ったあとでは、発症した症状と交通事故との因果関係を認められなくなる可能性があるからです。
むちうちによる手のしびれは、目に見える外傷がほとんどないことが多いです。そのため、症状を見逃したり「このくらいのしびれ、明日には治るだろう」と自己判断してしまったりする可能性もあります。
交通事故によるケガの治療には慰謝料なども関係してくるため、早めに病院を受診し、医師による正確な診断を受けましょう。そして、治療が終了するまで医師の指示に従い、回復に努めることが大切です。
むちうちによる手のしびれが残った場合は後遺障害認定を申請できる
交通事故などが原因でむちうちになり、その症状が手のしびれに出た場合、完全に元の状態になることが望ましいですが、場合によってはしびれが残ってしまう可能性があります。治療を続けても、これ以上回復する見込みがないと判断されたら「症状固定」となり、後遺障害認定を申請できます。
むちうちの後遺障害認定は、12級13号または14級9号の可能性が高いです 。後遺障害認定を受ければ、慰謝料が請求できます。申請を検討している方は、自分の希望する等級に認定されるよう、定期的な受診と医師による正確な診断書を用意できるように努めましょう。
なお、後遺症慰謝料を請求する場合、等級や算出基準によって慰謝料が異なります。自分自身での請求も可能ですが、より納得できる結果を得るためには、弁護士に相談するのもひとつの方法です。弁護士費用が気になるという方は、自分の加入している保険に弁護士特約が付いていないかを確認しましょう。もし弁護士特約に加入していれば、弁護費用を保険でまかなえるので、安心して相談できます。
浜松でむちうちの諸症状でお悩みの方は「みのり整骨院」へ
むちうちの症状は、首や背中の痛みだけでなく、手のしびれなど神経症状を引き起こす可能性があります。しびれの症状が出る場合、末梢神経を損傷している可能性が高いです。神経は、他の部位よりも回復が遅いため、治療には時間がかかります。しかし、さまざまな方法でアプローチすれば、徐々に症状が改善していくでしょう。
整形外科での治療はもちろん、整骨院での手技療法や電気療法、鍼灸院での針治療なども効果的です。静岡県浜松市にある「みのり整骨院」では、整形外科での治療を続けてもなかなか症状が改善しないという方にも対応しています。電気治療と手技治療を組み合わせて、最大限の効果を出せる治療法を行っています。整形外科の治療だけではなかなか症状が改善しないという方は、一度当院へご相談ください。