むちうちは、交通事故やスポーツなどで起こる負傷であり、その種類や症状、治療期間は人それぞれです。なかには、治療を続けていても、医師に「これ以上改善することはない」と判断され、後遺症となる可能性もあります。
この記事では、むちうちの後遺症になる確率や、後遺症になった際に申請する後遺障害認定について解説しています。むちうちの症状にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
むちうちの症状とは
むちうちは、交通事故などの衝撃によって首がムチのようにしなって捻挫することから、その名がつけられました。むちうちを発症すると、首や頭、肩、背中の痛みをはじめ、動かしにくさやしびれ、めまいや頭痛、吐き気といった症状が現れます。
ただし、損傷した当日にあまり痛みを感じることはなく、翌日以降に痛みが強くなる傾向にあります。整形外科への受診が遅れてしまう可能性があるので、注意が必要です。
むちうちの症状は、首や頭が動かせなくなり、日常生活に支障をきたすものもあれば、軽い違和感で済むものもあります。そして、治療期間も数週間で治るものから、何年も続くものまでさまざまです。
むちうちの治療期間
軽いむちうちであれば、1~2週間程度で症状が改善します。この場合、とくに特別な治療を行わなくても、自然と良くなるケースが多いです。
一般的なむちうちでは、1~3ヶ月 の治療期間を要します。整形外科に通院し、適切な治療を受けることで徐々に症状が改善してくでしょう。
しかし、6ヶ月 以上経過しても症状が残る場合は、医師から症状固定だと判断され、後遺障害申請を行う場合があります。
むちうちの後遺症とは
治療を続けても元の状態にまで改善せず、残ってしまう症状を後遺症と言います。後遺症には、頭痛や首の痛みをはじめ、めまい、吐き気などの神経症状、脊椎や脊髄を損傷したことによる麻痺や歩行障害などがあります。なかなか完治しない場合でも、症状固定の診断を受けるまでは治療を続けることが可能です。
症状固定とは?
症状固定とは、これ以上治療を続けても大幅な改善は見込めず、元の状態に戻ることはないと医師に診断されることです。つまり、後遺症と判断されることだと言えます。
症状固定を判断するのは、治療を続けても改善の見込みがないと医学的に判断できる医師です。交通事故の場合、相手方の保険会社から「そろそろ症状固定にしませんか」と言われる可能性があります。しかし、相手の言い分だけを聞かずに、医師の判断を尊重しましょう。
なお、症状固定だと判断されると、その後の治療費は損害賠償から支払えなくなります。
むちうちが治る確率
むちうちにはさまざまな種類があり、その治療期間も症状により異なります。一般的には、約50%の方が3ヶ月以内に治ります。ただし、むちうちの種類のなかでも、神経根症状型や脊髄症状型の場合は後遺症になりやすいです。神経にダメージを受けており、損傷を受けた神経は再生が難しいことが理由としてあります。
むちうちの治療を行っている方の20%は、1年治療を続けても症状が残っていると言われています。しかし、その人のむちうちの重症度はもちろん、治療方法や日常生活の仕方によってむちうちが治る確率は異なるため、明確には断言できません。
後遺症になったときに行う後遺障害認定とは
交通事故によってむちうちを発症して後遺症になった場合、後遺障害を認められると慰謝料を請求できます。むちうちの後遺障害認定は14級、もしくは12級が認定されます。
むちうちの後遺障害認定等級について
自賠責保険では、むちうちの後遺障害認定を下記の等級で認定しています。
【むちうちの後遺障害認定】
12級13号 |
「局部に頑固な神経症状を残すもの」 レントゲンやMRI検査で、客観的に異常所見があると認められることが前提です。また、身体的な所見が必要とされるため、画像検査だけでなく、徒手筋力テストの評価も重要なポイントです。 |
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14級9号 |
「局部に神経症状を残すもの」 画像所見や身体所見の一致を必要とせず、自覚症状だけで認定される可能性があります。ただし、常に痛みがあることが必要で、ときどき痛くなる程度では認定されません。 |
一般的な交通事故によるむちうちの場合、14級9号の認定が多いです。
後遺障害認定を申請する際の条件
後遺障害認定を受けるためには、以下の4つの条件をクリアする必要があります。
<後遺障害認定を受けるための条件>
- 交通事故と症状の因果関係が認められる
発症したむちうちの症状の原因が、交通事故であるという関連性が認められる必要があります。そのためには、交通事故後すぐに病院を受診し、医師による診察を受けることが重要です。
- 一貫した症状が継続的にある
事故に遭ってから認定を受けるまでの間、継続的に一貫した症状が続いていなければなりません。一貫性や継続性を証明するためには、定期的に通院し、医師にその状態を診断書に記載してもらいましょう。
- 症状があることを医学的に証明できる
むちうちの場合は、レントゲンやMRIなどの画像診断で、異常所見が認められることを証明する必要があります。また、痛みや筋力低下を徒手検査にて診断してもらうことも重要です。
- 症状が後遺障害認定の基準を満たしている
後遺障害認定で定められているさまざまな要件を満たしていること、そしてそれを証明できることで後遺障害認定を申請できます。
認定結果に対して異議申し立てするには
後遺障害認定は審査によって、認められるかそうでないかを判断されます。その結果は、必ずしも納得いくものになるとは限りません。
もしも審査の結果に納得できない場合は異議申し立てを行い、再審査を受けることが可能です。ただし、異議申し立てをしたからと言って、必ずしも等級が上がるとは限りません。異議申し立てを検討しているのであれば、対策をたてることをおすすめします。
<認定結果に対する異議申し立てをする際の対策>
- 審査結果の理由の分析を行い、異議申し立てをする意味の有無や、希望どおりの等級に認定されるための方法を考える
- 具体的かつ論理的に異議申し立てできるよう工夫する
- 後遺障害認定に強い弁護士のサポートを受ける
なお、異議申し立てをした場合、現在認定されている等級は下がりません。
後遺障害認定の手続きの流れ
後遺障害認定の申請手続きの流れは、以下のとおりです。
<後遺障害認定の申請手続きの手順>
- 医師に診断書を発行してもらう
- 保険会社に後遺障害診断書を提出する
- 保険会社から損害保険料率算出機構・自賠責調査事務所へ書類が送られて審査される
- 後遺障害認定の結果が保険会社へと通知される
- 保険会社から本人へ結果が通知される
手続きは、申請から審査・結果通知まで1~3ヶ月ほどかかります。
むちうちの後遺症にお困りの方は【みのり整骨院】へ
むちうちは、症状が軽いものから重篤なものまでさまざまであり、後遺症の有無や症状もまた人それぞれ異なります。症状固定だと判断された場合、事故前の状態には戻れないことになるので、落ち込む方も多いでしょう。
交通事故によるむちうちで後遺症が残った場合は、後遺障害認定を申請できます。認定されることで慰謝料を請求できるので、交通事故後は早めに病院を受診して診断を受けましょう。とはいっても、はやり症状を改善するのが一番良いです。整形外科で症状がなかなか改善しない場合は、整骨院への通院も検討してみてください。
静岡県浜松市にある「みのり整骨院」では、整形外科とは違う方面からのアプローチによって、症状を改善できる可能性があります。整骨院への通院を検討している方は、20年以上の経験と実績をもつ柔道整復師がいる「みのり整骨院」へご相談ください。